2011年6月21日火曜日

何も変わってない

以下は5月12日にフェイスブックに載せた文章です。福島県や県立医大のホームページを見てから、すっかり落ち込んで、気持ちは振り出しに戻ってしまいました。お医者さんたちも県の偉いひとたちも、いつまでたっても両論を提示して私たちに考えさせてくれたりしてませんね。

リスクアドバイザーの方に至っては、異論に耳傾けるそぶりすらありません。広島・長崎のデータから出発することしか頭になくて、新たにお勉強をする気はなさそうです。ニ本松講演での聴衆男性とのやりとりでは無知をさらけ出してやりこめられているようにすら見えました。

http://www.ustream.tv/recorded/14446126

わかってて言い含めようとするのは悪質だと思ってましたが、もしかしてもう頭かたくなっててまともな議論は無理なのでは?県立医大のホームページに載っている講演を聴いてたら、なさけなくなってきました。このひとをつれてきて、いつまでも危険なポジションに据え続けている福島県知事への疑念がつのってきています。

このまま私たちは「100ミリシーベルトまでは安全」というご高説を証明するために数十年にわたってデータを提供し続けるわけなんでしょうか。もっともECRRの研究成果のほうが正しかったとなった場合、データ提供できる時間だってみんなが思ってるほど長くないのかも知れませんけど。子供たちに最初に被害が現れてくるなんて、くやしいなあ。



ICRP と ECRR  (その1)ぼくはしろうとです。経験も専門知識もありません。虚心坦懐。無知の知?ソボクなギモン・・・

もとより医学者でもなければ生物物理学者でも医療社会学者でも、ましてや倫理学者でも哲学者でもありません。いつのまにか被曝者となっていた無知な市民の一人であります。

ど うもおかしい。ICRP109, 111, Fukushima Reportなどの話だ。平常時は1mSv/yまでだったはずの基準が、時に1-20mSv/y までは可となり、それも実現不能なら緊急時に限り20-100mSv/yまでを許容せよ。なんだこれ?人の健康に関わる話なのに、なぜこんなに文字通り 「桁違いに」おおざっぱなのだ?科学的な体裁をしてるからにはエヴィデンスに基づいているの?
http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15290,76,html

http://www.icrp.org/publications.asp


ICRP と ECRR  (その2)今はまだ危機の最中では?

わが福島で今起きていることは、ポポポポーンと派手に爆発してから2ヶ月あまり、徐々に収束に向かってこの逆の経過をたどっていると説明されてはみても、剣呑なことこの上ない。

し かも今回はかまってられないから(別枠にして?)250まで大盤振る舞いだ?作業員は命を削らされている。いわきはそんなに心配するほどでないって?でも 福島や郡山なんか、本当は赤ちゃんや幼稚園児や小学生だって、できれば遠くに逃げてなきゃいけないんじゃありませんか?
http://www.monipo.net/blog/radiation/134-137-110506/


ICRP と ECRR  (その3)エライひとってどっちの味方?福島県のリスクアドバイザーの先生って?

電力会社や日本政府どころの話じゃない。多くのお医者さんたちがふつうに信頼を置いているICRPの勧告そのものが、相当怪しげなものに思えてきた。人間の健康と企業の利害や行政の管理責任をはかりにかけてもてあそんでるんじゃないだろうか?

気になって調べれば調べるほど、肉体と意志を持つ一個の主体としてのひとりひとりの人間の尊厳と、巧妙に作り上げられた一握りのひとのための利益共同体の安定と、どっちを大切にするかという問題に行き当たりそうだ。

ひとが語る言葉にしろ、報告書や勧告書としてひとの手で書かれた文章にしろ、どちらの立場に視点を置いてものをみているのか、底意が透けて見えてくる(ような気がする)

いわゆる「専門家」としてお墨付きをいただいたお歴々、行政から拝領したたいそうな肩書きに飾られた方々の行状に、きわめて危険なにおいをかぎつけた(ような気がする)私こそ、ふつうからみれば「危険分子」なのでしょうか?


ICRP と ECRR  (その4)オレってどっち側だっけ?

ま ず自分はどちらのサイドなのか、よく考えてみよう。そうだ、紛れもなくぼくは被害者だぞ。津波から逃れて避難所に泊まっていたとき、原発事故の追い打ちに よって超ビビらされ、一時ははるばる和歌山くんだりまでトンヅラしたものだった。すぐには戻れず、静岡や埼玉を転々としたっけ。

今 だって結構ひどい目に遭わされている。余震に跳び起きるたび、津波で注水作業が中断しまいか?電源喪失はないか?格納容器は無事か?水蒸気爆発はないか? 燃料が偏って再臨界してないか?プールはひびが入って水漏れしてないか?まさか六カ所は?なんて、心配事は芋づるのようにあとからあとから・・・・安心し て眠られやしない。命を張っている作業員の人たちのことを真っ先に案ずるべきなのだろうが、自分の心配ばっかりしてる。でも、これいけないことか?もっと 言うと、電力会社の株価とか、日本経済の安定とか、政府の賠償限度額とか、天下国家のことを心配しなければならないとでも言うのだろうか?


ICRP と ECRR  (その5)どうも変だぞ?ほかに基準はないのか?

放射線の健康に与える影響評価の基準として、ICRPの勧告ばかりが話題にされるけど、どうもヨーロッパの方ではこちらはあまりあてにされてないらしい。 チェルノブイリの被害を長期にわたって経験してきた彼らは、もともとは核兵器による高線量外部被曝の影響分析に用いられた仮説と手法に立脚するリスク評価 では、自分たちが日々苦しんでいる健康被害の説明がつかないことにとうに気づいていたようだ。

彼らは欧州議会に諮り、独自に組織を立ち上げ、新たな視点から報告書をまとめ上げ公表した。低線量長期慢性被曝による、細胞レベルでの主に内部被曝による影響を測る新たな手法の提案だ。
http://www.euradcom.org/

このホームページ自体にまだ日本語版はないけど ECRR 2010 がPDFで全文ダウンロードできる。

(「美浜の会」が翻訳を載せていました。6月22日追加)
http://www.jca.apc.org/mihama/ecrr/ecrr2010_dl.htm


ICRP と ECRR  (その6)イデオロギーに荷担する気はない。でも、どっちが自分のためになるのかな?

福島にとどまり続ける我々はどちらに依るべきなのだろうか?どちらの立場の学者の意見に耳傾けるべきなのだろうか?もちろん、それはこちらの立場をどうとら えるか次第だ。原発利権サイドか、被害者か?行政側組織を守る立場か、個人として己や家族の健康被害に神経を尖らせる側か?

残念ながらこの対立は、少なくとも今の我が国においては、きわめて先鋭的に「原発推進派か、反原発活動家か?」という問いに、見事に直結してしまう。いまさら革マルだの、革労協だのって旗振りするつもりもないし・・・自分の中にある種のアレルギーがあって踏み切れない。
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/91a87a5aa6a956eb7704eb6ed0406dc0

しかたないからスローガンも「反原発」の戦いって身構えないで、からっと明るく「脱原発」なんでしょうね?

ICRP と ECRR  (その7)ちゃんと守ってね!利権じゃなくてオレたちを・・・

3月20付けでこの委員会として福島原発事故へのアドバイスが寄せられた。政府は黙殺したのかな?
http://www.euradcom.org/publications/publications.htm

この本に書いてあることは事実なんでしょうか?

プルトニウム ファイル (書評)

http://www.unitarou.org/br/ThePlutoniumFiles.html

この本の存在は友人が教えてくれました。絶版で簡単には手に入らないようですけどぜひ読んでみたいです。

自分も含めてですが、こんなふうにおとなしく福島県に住み続けている私たちって、お人好し過ぎないでしょうか?

「被災者」じゃなくて「東電」の救済策が通ってしまいました。株価は連日ストップ高です。東電の社長さん年収七千二百万ですよ。ひと世帯百万円の一時金だってあれほど渋ったのに。

jp.wsj.com/Opinions/Columns/node_238092

昔なら一揆もんじゃないでしょうか?